複数通貨の処理
支払い、送金、入金、申請手数料に使用する複数の通貨を管理します。
Stripe は、135 種類以上の通貨での決済処理をサポートしています。これにより、顧客の現地通貨で価格が提示されるだけでなく、顧客は通貨換算コストを支払う必要がなくなります。また、現地通貨を提示することで、顧客の購入完了率や支払いのオーソリ率も向上します。
通貨換算 (FX) は、支払い、送金、入金、プラットフォーム手数料、およびその他の種類の取引で発生することがあります。通貨換算は、売上フローの開始通貨が送金先通貨と異なる場合に発生します。たとえば、取引通貨と売上処理通貨が異なる場合、決済額に対する通貨換算が発生します。送金の場合、売上を送金するプラットフォームの残高通貨が、送金を受け取る連結アカウントの残高通貨と異なる場合に通貨換算が発生します。
Connect で FX Quotes API を使用する
FX Quotes API を使用して、価格を顧客の通貨に換算し、通貨換算レートの変動の不正確性を低減させます。FX Quotes は、顧客の取引通貨でPaymentIntent
を作成する際に使用できます。送金の作成時に FX Quotes を使用して、連結アカウントの売上処理額を確定させることも可能です。FX Quotes の詳細については、こちらのドキュメントをご確認ください。
通貨換算のシナリオ例
Connect の支払いタイプに応じて、通貨換算は次のように処理されます。
ダイレクト支払い
ダイレクト支払いは常に、取引通貨から連結アカウントのデフォルト通貨に換算されます。プラットフォーム手数料は、プラットフォームのデフォルト通貨に換算されます。
たとえば、連結アカウントの支払いを USD で受け付けるとします。連結アカウントは EUR で売上を受け取ります。連結アカウントに送金される売上は EUR に換算され、プラットフォーム手数料は、プラットフォームで EUR から USD に戻されます。
FX Quotes API の拡張レート見積もりを使用すると、ダイレクト支払いに使用される通貨換算レートの不正確性を低減できます。ダイレクト支払いを作成する際に、FX Quotes ID を支払いインテントに渡します。最終顧客の通貨を from_
に指定します。連結アカウントのデフォルトの売上処理通貨は to_
に指定しています。
FX Quotes を作成する
ダイレクト支払いは連結アカウントのデフォルト通貨で行われますが、プラットフォームはダイレクト支払いにかかるプラットフォーム手数料をプラットフォームのデフォルト通貨で受け取ります。FX Quotes API のダイレクト支払いで拡張レート見積もりを使用しても、プラットフォーム手数料の換算に使用される通貨換算レートには影響しません。
銀行口座またはデビットカードが利用できるかどうか | 換算アクション |
---|---|
売上処理通貨を利用できる | 換算なし |
売上処理通貨を利用できない | Stripe は、プラットフォームアカウントのデフォルトの通貨に基づいてプラットフォーム手数料を換算します |
プラットフォームがプラットフォーム手数料を徴収せず、代わりに支払いの一部を保留する場合、その資金はプラットフォームアカウントの他の支払いと同じ方法で入金されます。
on_behalf_of を指定しないデスティネーション支払い
on_
を指定してしないデスティネーション支払いを処理する場合、Stripe はまず取引通貨からプラットフォームのデフォルト通貨に換算します。連結アカウントに送金される売上は、連結アカウントのデフォルト通貨に換算されます。
application_
を使用する場合、連結アカウントのデフォルト通貨への換算後にプラットフォーム手数料が徴収されます。手数料は、プラットフォームに追加されたときにその通貨のまま維持されます。fee_ amount transfer_
を使用する場合、最初の通貨換算後に手数料が徴収され、その後はプラットフォームのデフォルト通貨で維持されます。data[amount]
注
この支払いフローは、Stripe の地域別のクロスボーダー取引ポリシーの対象となります。
たとえば、連結アカウントのデスティネーション支払いを EUR で受け付けるとします。連結アカウントは GBP で売上処理を行い、プラットフォームは USD で決済します。支払いは EUR から USD に換算され、連結アカウントに送金される売上は GBP に換算されます。
application_
を使用する場合、プラットフォーム手数料の金額は EUR から GBP に換算され、連結アカウントで決済される金額から差し引かれます。fee_ amount transfer_
を使用する場合、手数料は当初の取引通貨から換算した後、USD で維持されます。data[amount]
FX Quotes API の拡張レート見積もりを使用すると、on_
を指定していないデスティネーション支払いに使用される通貨換算レートの不正確性を低減できます。支払いを作成する際に、FX Quotes ID を支払いインテントに渡します。上記の例で、EUR (最終顧客の通貨) から USD (プラットフォームの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、最終顧客の通貨を from_
に指定しています。プラットフォームのデフォルトの売上処理通貨は to_
に指定します。FX Quotes は、プラットフォームから連結アカウントへの送金で発生する通貨換算や、プラットフォーム手数料の換算には使用できません。
FX Quates の作成
application_
パラメーターを使用して徴収されたプラットフォーム手数料がデスティネーション支払いのために換算されることはなく、プラットフォームは常に連結アカウントの売上処理通貨でプラットフォーム手数料を受け取ります。transfer_
パラメーターを使用して少額の取引額を送金し、プラットフォームのデフォルトの売上処理通貨で手数料を徴収します。
on_behalf_of を指定したデスティネーション支払い
on_
を指定したデスティネーション支払いを処理する場合、Stripe はまず取引通貨から連結アカウントのデフォルト通貨に換算します。プラットフォーム手数料は、application_
と transfer_
のどちらを使用しているかを問わず、連結アカウントの通貨が維持されます。
たとえば、連結アカウントが USD で支払いを受け付け、EUR で売上処理を行うと仮定します。支払いは EUR に換算され、連結アカウントには EUR が送金されます。application_
と transfer_
のどちらを使用しているかを問わず、手数料は EUR で徴収されます。
FX Quotes API の拡張レート見積もりを使用すると、on_behalf_of を指定したデスティネーション支払いに使用される通貨換算レートの不正確性を低減できます。支払いを作成する際に、FX Quotes ID を支払いインテントに渡します。上記の例で、USD (最終顧客の通貨) から EUR (連結アカウントの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、最終顧客の通貨を from_
に指定しています。連結アカウントのデフォルトの売上処理通貨は to_
に指定しています。
FX Quates の作成
application_
パラメーターを使用して徴収されたプラットフォーム手数料がデスティネーション支払いのために換算されることはなく、プラットフォームは常に連結アカウントの売上処理通貨でプラットフォーム手数料を受け取ります。transfer_
パラメーターを使用して少額の取引額を送金し、プラットフォームのデフォルトの売上処理通貨で手数料を徴収します。
destination
または on_
パラメータを使用してプラットフォームで支払いを作成すると、複数の通貨で残高が累計されます。お客様が別通貨の銀行口座を保有していない場合、Stripe はプラットフォームのデフォルトの銀行口座に、デフォルト以外の通貨で残高を入金する方法を提供します。
Stripe は通貨を換算し、支払い元の残高の通貨である currency
を手動入金の通貨として表示します。
指定された通貨の残高に十分な資金がある限り、Stripe は資金を自動的にデフォルトの銀行口座の通貨に換算します。入金時の FX Quotes の使用はサポートされていません。
注
この支払いフローは、Stripe の地域別のクロスボーダー取引ポリシーの対象となります。
on_behalf_of を指定しない支払いと送金別方式
支払いと送金別方式では、取引通貨からプラットフォームのデフォルト通貨に換算され、プラットフォームはその後に連結アカウントへ売上を送金します。プラットフォームは送金時に適切な送金額を選択できるため、手数料の徴収に application_
パラメーターと transfer_
パラメーターは使用されません。
USD 建ての支払いを例にとってみましょう。プラットフォームアカウントのデフォルト通貨は GBP です。USD から GBP への通貨換算は、支払いレッグの一部として行われます。プラットフォームがこれらの資金を、EUR をデフォルト通貨とする連結アカウントに送金すると、別の通貨換算 (GBP から EUR) が行われます。
FX Quotes API の拡張レート見積もりを使用すると、on_
を指定しない支払いと送金別方式に使用される通貨換算レートの不正確性を低減できます。これは、支払いレッグとスタンドアロンの送金レッグの両方に適用されます。
支払いの FX Quotes
送金の FX Quotes
支払いを作成する際に、FX Quotes ID を支払いインテントに渡します。上記の例で、USD (最終顧客の通貨) から GBP (Connect プラットフォームの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、最終顧客の通貨を from_
に指定しています。プラットフォームのデフォルトの売上処理通貨は to_
に指定します。
送金を作成する際に、FX Quotes ID を送金に渡します。上記の例で、GBP (Connect プラットフォームの通貨) から EUR (連結アカウントの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、Connect プラットフォームの通貨を from_
に指定しています。連結アカウントのデフォルトの通貨は to_
に指定しています。
注
この支払いフローは、Stripe の地域別のクロスボーダー取引ポリシーの対象となります。
on_behalf_of を指定した支払いと送金別方式
支払いと送金別方式では、取引通貨から連結アカウントのデフォルト通貨に換算され、プラットフォームはその後に連結アカウントへ売上を送金します。プラットフォームは送金時に適切な送金額を選択できるため、手数料の徴収に application_
パラメーターと transfer_
パラメーターは使用されません。
USD 建ての支払いを例にとってみましょう。プラットフォームアカウントのデフォルト通貨は GBP です。USD から GBP への通貨換算は、支払いレッグの一部として行われます。プラットフォームがこれらの資金を、EUR をデフォルト通貨とする連結アカウントに送金すると、別の通貨換算 (GBP から EUR) が行われます。
FX Quotes API の拡張レート見積もりを使用すると、on_
を指定した支払いと送金別方式に使用される通貨換算レートの不正確性を低減できます。これは、支払いレッグとスタンドアロンの送金レッグの両方に適用されます。
支払いレッグの FX Quote
送金レッグの FX Quote
支払いを作成する際に、FX Quotes ID を支払いインテントに渡します。上記の例で、USD (最終顧客の通貨) から GBP (Connect プラットフォームの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、最終顧客の通貨を from_
に指定しています。プラットフォームのデフォルトの売上処理通貨は to_
に指定します。
送金を作成する際に、FX Quotes ID を送金に渡します。上記の例で、GBP (Connect プラットフォームの通貨) から EUR (連結アカウントの通貨) への換算に使用される通貨換算レートの正確性を確認できます。FX Quotes では、Connect プラットフォームの通貨を from_
に指定しています。連結アカウントのデフォルトの通貨は to_
に指定しています。
注
この支払いフローは、Stripe の地域別のクロスボーダー取引ポリシーの対象となります。
返金時の通貨換算
最初に別の通貨に換算された支払いを返金する場合、返金時点での通貨換算レートが適用されます。これは、元の支払いに通貨換算レートを設定するために FX Quotes を使用したかどうかに関わらず適用されます。Stripe は、返金に係る通貨換算に対し、通貨換算手数料を請求しません。Stripe は、元の取引で請求された通貨換算手数料の返金には応じません。
入金時の通貨換算
売上処理通貨は、入金で受け取ることができる通貨です。サポートされている売上処理通貨はこちらでご覧いただけます。
銀行口座またはデビットカードが利用できるかどうかに応じて、残高を入金する際は以下のようになります。
銀行口座またはデビットカードが利用できるかどうか | 換算アクション |
---|---|
その通貨を利用できる | 換算なし |
その通貨を複数の銀行口座またはデビットカードで利用できる | 通貨換算なし: Stripeは default_ に設定された銀行口座またはデビットカードを使用します |
その通貨を利用できない | Stripe は、アカウントのデフォルトの通貨に基づいて入金額を換算します |